スイス人材派遣アデコ、大株主が早急な信頼回復策求める

http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/media/20040128NTE2IFT0428012004.html

 世界最大の人材派遣会社、スイスのアデコは27日、最近の会計不正疑惑をめぐる同社の危機対応に関して、第2の大株主であるクラウス・ヤコブ氏から厳しい意見と注文を受けた。

 ヤコブ氏の持ち株会社アデコ株式の約12%を保有している。同氏は顧客、投資家、社員からの信頼回復の必要性を主張。これを実現できない場合はジェローム・カイエ最高経営責任者(CEO)が辞任すべきという意見を示した。同氏は事態改善の期限として、次期株主総会が開催される4月21日を挙げている。

 ヤコブ氏はさらにこれまでもファンド・マネジャーやアナリストが批判していた同社の情報公開方針について、「経験豊富な会長やCEOならば異なるやり方をとっていたはず。能力の欠如がみられた」と述べた。

 こうした意見を通じてヤコブ氏は、カイエCEOを支援してきたアデコ最大株主のフィリップ・フォリエル・デステツェット氏との対立姿勢を強める格好となった。ヤコブ氏とデステツェット氏はかつて共に、アディアとエコの2社を支配。両社は1996年に合併してアデコが誕生した。

(英フィナンシャル・タイムズ特約)