キプロス統合にトルコ系賛意、EU加盟へトルコ攻勢

http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20040428AT2M2700527042004.html

 【イスタンブール松尾博文】欧州連合(EU)加盟を悲願とするトルコが、キプロスでの再統合を問う住民投票の結果を受けて外交攻勢を強めている。エルドアン首相はキプロスのトルコ系住民が再統合案に賛意を示したことで、EUが加盟条件として求める責任は果たしたと強調した。EUも一定の評価をせざるをえない状況で、年末の加盟交渉開始の決定に影響する可能性もある。

 EUは昨年、トルコについての状況報告書で「キプロス問題が解決しなければ加盟交渉に重大な障害となる」と記述、エルドアン政権は国連が提示したキプロス再統合案に国内の反対派を抑えて支持を表明した。再統合案はギリシャ系のキプロス共和国(南側)の反対で成立しなかったが、トルコの影響下にある北キプロス・トルコ共和国(北側)では賛成票が6割に達した。この結果をエルドアン首相は「50年のトルコ外交で最大の成功」と称賛、「EU加盟の事実上の条件は満たした」と述べた。