路上の弁当販売やめて 「ゼスト御池」 指導強化求め請願

http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2004052900074&genre=C4&area=K10

 京都市役所(中京区)北側の路上で増えている業者の弁当販売について、近くの地下街「ゼスト御池」を運営する市の第三セクター会社「京都御池地下街」が、周辺の飲食店の売り上げが減っているとして、市に指導強化を求める請願を市議会に提出した。市や府警は、道路法などに抵触するとみているが、業者側はキャスター付きの台車を使って指導を避けている。

 昼食時の弁当販売は、市役所北側の押小路通で1999年ごろから始まり、現在、連日10業者程度が販売。1つ300−500円程度と外食に比べて安価で、1日に数十個を売る業者もある。

 これに対し請願は、地代を払っていないことが安価な販売を可能にしており、路上販売を放置すると景観、環境、交通面で大きな問題に発展するなどと指摘している。

 これまでにも、市は「交通に障害を及ぼす恐れがある行為」(道路法)、管轄の中立売署は「道路における禁止行為」(道路交通法)とみて、業者を指導している。

 しかし、業者は台車を使い、見回りの際は素早く移動するため、中立売署は「道路交通法上の道路使用許可が必要な『露店』や『屋台店』に当てはまらず、検挙にはいたらない」という。

 ゼスト御池は、地下鉄東西線が開通した1997年にオープンしたが、不振続きで累積赤字は11億円を超す。市議会は請願を継続審議としており、京都御池地下街の井上正一総務部長は「出資者の市や職員は、もっと配慮して」と訴えている。

 弁当販売業者(68)は「生活がかかっているから」と営業を止める気配はない。よく利用する市職員の男性(28)は「ゼストがもっと企業努力するのが筋」と話していた。