WSJ-AT&Tが資産評価見直し、多額の評価損計上の可能性も

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ニューヨーク(ウォール・ストリート・ジャーナル)米長距離通信最大手のAT&T(NYSE:T)は、米証券取引委員会(SEC)に4日提出した報告書の中で、438億ドルに上る資産の一部について、資産勘定から損失勘定への振り替えを検討していると明らかにした。かつて米国の電話事業を独占した企業の劇的な縮小を、あらためて浮き彫りにする動きとなる。
AT&Tは先月、一般住居向けの地域および長距離電話サービスについて積極的な営業活動をやめ、今後は企業向けサービスやインターネットプロトコル(IP)電話などの新技術に注力すると発表した。こうした中、AT&Tが買収ターゲットとなりうるとの声も聞かれるようになっている。
一部のアナリストは、AT&Tが計上する評価損の規模が数十億ドルに上る可能性があると予想する。AT&Tはすでに無線通信、ケーブルテレビ(CATV)などの資産を売却あるいはスピンオフ(分離・独立)している。同社の格付けは最近、「ジャンク」格に引き下げられた。SECに提出した報告書によると、格付け会社による格下げにより、利払い費用は今年1000万ドル増加し、来年はさらに7000万ドル増加する見込みという。
AT&Tは、一般住居向け長距離電話サービスから撤退する決定に伴い、資産を見直している。消費者向け事業部門の資産は8億8500万ドルだが、同社の広報によると、資産の見直しは同部門に限られないという。
報告書によると、AT&Tが見直しているのは、不動産、工場、機器、のれん代、その他無形資産などの価値。資産勘定から損失勘定への振り替えを実施した場合、それは7−9月期に計上する評価損に反映されることになる。AT&Tの4日終値は前日比34セント(2.25%)安の14.76ドル。
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